環境省が唐突に栃木県内における放射性物質を含んだ指定廃棄物の最終処分場の候補地として矢板市塩田の国有林を選定したことに対して、矢板では処分場建設の白紙撤回を求める官民一体の反対運動が展開されています。 国は、何処に、どのような施設を建設しようとしているのか整理してみましょう。当事案については事態の推移に応じ、適宜、情報を追加(更新)していきます。
《画像は、クリックすると拡大します》
Google earthより抜粋・引用しています。 |
左は、人工衛星に搭載されている高精細カメラにより、
2011年10月8日に撮影された候補地付近です。
2011年10月8日に撮影された候補地付近です。
塩谷町との境界線の近く、
数年前に森林が伐採されたエリア内の一角が候補地点のようです。
数年前に森林が伐採されたエリア内の一角が候補地点のようです。
道路地図によれば、塩田ダム近くの林道から行けるようですので、このダムを経由して現地まで行ってみることにしましょう。
塩田ダムへ向かう市道の至る所に、このような看板やノボリが立っています。
この手作りの看板には、「放射性物質処分場絶対反対」と書かれています。
林道の入り口です。ここにも「放射性物質搬入反対」の縦看板とノボリが立っています。
塩田ダムの様子です。ここのところの降雨のせいか、水量が豊かで美しい水面です。
このダムの上流に「マムシ注意」と書かれた看板が立っていました。
この界隈にはマムシが生息しているようで、車を降りる際は注意が必要です。
ダムを反時計方向に半周したところから森林内へと向かいます。
舗装された林道を5分ほど走ると「最終処分場設置関係者進入禁止」と書かれた看板が立っています。
設置関係者ではありませんので「⇒」に沿って右折、砂利道へ進入します。
やがて行き止まりとなり、「放射性廃棄物処分場絶対反対」と書かれた看板が見えます。
「⇒」の方向に草深く細い道が続いていますが車は入れません。
候補地は近いようですが、マムシのことが頭をよぎり一人で分け入るのは無理と判断しました。
帰路は迷子になる心配がありませんから、気持ちに余裕ができます。
往路では目に留まりませんでしたが、帰り道、この看板に気がつきました。
県や市や、そして市民が、この辺りの森林を大切に育んでいる様子が良く解ります。
さらには、林道の傍らを流れている小さな川にも目が留まりました。
澄んだ水、極く少ない流量から、源流に、かなり近いことを窺わせます。
これも、帰り道で見つけました。両側に整然と植えられた赤い花の風景です。
この、のどかで美しい田園の向こうにも、処分場反対の看板とノボリが、しっかり立っていました。
さて、国は、どのような施設を建設しようとしているのでしょうか。
環境省HPによれば、指定廃棄物を搬入している間は右のような構造であると記されています。
規模は良く判りませんが、運びこまれる廃棄物の量は四~五千トンに達すると推定されています。
処分作業の最終段階では屋根を取り払いコンクリートとペントナイト充填土で全体を固め埋め立ててしまうようです。
この他に、運ばれて来た可燃廃棄物を最終処理するために、右のような仮設焼却システムが設置されるようです。
放射性物質を含んだ指定廃棄物の最終処分場が必要なことは理解します。だからこそ、何処の市町村に設置するにしても、国は、そこに毎日の生活がある住民の気持ちを第一に考え、繊細な対応をしなければならないことを真に自覚するべきです。
【2012/09/28追記】
報道によれば、 茨城県高萩市でも、事前に国から相談も無く唐突に候補地を選定したとして市長が「断固
反対」を表明しています。
【2012/10/05追記】
10月5日付の下野新聞朝刊に、"矢板処分場候補地ルポ
「ここの水は命の源」暮らしと農地育む里" と題した、詳細な現地レポートが掲載されています。
【2012/10/11追記】
10月11日付の下野新聞動画ニュース(DOsoon)に、「矢板、高萩、共同歩調で合意 両市長が会談」と題する動画が掲載されています。要旨、「最終処分場候補地に選定された問題で、遠藤忠市長と、茨城県の候補地として選定された高萩市の草間吉夫市長が10日に矢板市役所で会談し、候補地の白紙撤回に向けて共同歩調を取ることで合意した」と報道されています。
【2012/10/20追記】
10月19日付の下野新聞に、矢板市塩田の国有林が指定廃棄物の最終処分場候補地に選定された問題について、「同市議会の守田浩樹議長と中村久信副議長は18日、国会内で本県関係の与野党国会議員13人に候補地選定の白紙撤回を求める要望書を提出した」と報道されています。
【2012/10/30追記】
10月30日付の下野新聞に、「東京電力福島第1原発事故に伴い発生した指定廃棄物の最終処分場候補地に矢板市塩田の国有林が選定された問題で、県内全市町長26人のうち16人は国が事前通告なく選定した候補地を白紙撤回して選定をやり直すべきだと考えていることが、 29日までに下野新聞社が実施したアンケートで分かった」と報道されています。
【2012/11/03追記】
11月3日付の下野新聞朝刊に、『清水修二福島大教授(63)=財政学=は2日までに下野新聞社の取材に応じ、「国が白紙撤回して複数の候補地を挙げ、当該自治体や住民が議論して決める。 地方自治と住民自治の力で解決することが重要であり、責務でもある」などと訴えた』と報道されています。
【2012/12/03追記】
国が矢板市塩田の国有林を指定廃棄物の最終処分場候補地に選定した問題で、12月2日に約8000人が長峰公園に終結し候補地の白紙撤回を求める 「12・2 一万人集会in長峰」が開催されました。
http://omoitsukisimotsuke.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html
国が矢板市塩田の国有林を指定廃棄物の最終処分場候補地に選定した問題で、12月2日に約8000人が長峰公園に終結し候補地の白紙撤回を求める 「12・2 一万人集会in長峰」が開催されました。
http://omoitsukisimotsuke.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html
http://www.shimotsuke.co.jp/dosoon/official/20121220/945673
【2013/01/05追記】
1月5日付の下野新聞朝刊で、「井上信治環境副大臣と秋野公造政務官は4日、政権交代後初めて県庁と同市を訪問し、福田富一知事、遠藤忠市長と会談した。遠藤市長はあらためて白紙撤回を求めたが、副大臣は「前政権が進めたことを検証していく」として、現段階では撤回に応じない考えを明らかにした。」と報じられています。
【2013/02/01追記】
2月1日の下野新聞朝刊で『安倍晋三首相は31日の衆院本会議で、候補地選定について「前政権の取り組みを検証しており、その結果を踏まえて改めるべきところは改め、今後の進め方を検討していく」と述べ、検証結果によっては選定過程を見直す可能性を示唆した。みんなの党代表の渡辺喜美氏の代表質問に答えた。』と報じられています。
【2013/02/16追記】
2月16日の下野新聞朝刊で『石原伸晃環境相は15日、環境省で福田富一知事と会談し、同省が進める候補地選定プロセスの検証作業の結果を近く本県に報告する意向を表明した。会談後、福田知事が明
らかにした。 取材に対し福田知事は、候補地選定について「仕切り直す方向に可能性は残っているの
ではないかと思う」との見方を示した。』と報じられています。
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20130215/982450
【2013/02/25追記】
2月25日の下野新聞Web版(14:10配信)で『環境省の井上信治副大臣は25日の記者会見で、放射性物質を含む「指定廃棄物」の最終処分場候補地について、矢板市を含めた県内全市町を対象に選定をやり直す考えを明らかにした。 県知事と全市町長が参加する会議を設けて、意見交換や共通理解を図る。』
と報じられています。
【2013/02/26追記】
同じ情報の詳細が2月26日の下野新聞朝刊に掲載されていますので、以下、置き換えます。 併せて、
2月26日(AM5:00)から下野新聞Webの動画ニュース欄へも掲載されています。
(記事)
http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/north/yaita/news/20130225/988868
(動画)
http://www.shimotsuke.co.jp/dosoon/official/20130225/988867
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