知人よりSOTEC製ディスクトップパソコン BJ5715KPBから異音が発生するとの相談を受けましたので、診断と処方を試みてみました。
《画像はクリックすると拡大します》
本機は、2008年5月にSOTECから発売されました。
ホワイト鏡面仕上げの、現在の感覚でも通用する大変おしゃれなデザインです。
性能的には、Pentium dual core CPU E2160, 2GbRAM, 320GbHDDを搭載
しており、ごく標準的な構成です。
前面左下の小扉内にスマートメディアにも対応するマルチカードリーダーを備えています。
ディスプレイ端子は、DVIは無くて15pinとHDMI を備えています。
電源ユニットの冷却は排気方式を採用しており、PC内のエアフローシステムの一端も担っているようです。
上部の通気孔は、CPU冷却後の熱い空気を外部へ放出するための排気孔です。
さて、本題に入りましょう。電源を入れると同時にPCらしからぬ大きな異音(回転音)が発生しました。
一分も経つと大きな音は静まりますが、その後も異音は気になります。
直ぐに、異音が発生しているのは底面に付いている排気ファンモーターの回転音と判りました。
モーターを取り外してみると上下のガタが異様に大きく、異音の元はモーターの劣化(消耗)と判断しました。
HDDの通電時間から当PCの使用時間は一万時間を超えたばかりです。普通は未だ寿命とは考えられません。
どうやら、当固体は縦置きスタンドを使用せず直置されていたためファンが空転していたことがダメージの原因のようです。
写真では見えませんが天面の前後に大きな蜂の巣状の通気孔、前面バネルの左右に無数の通気孔が設けてあります。
CPUの冷却は、CPUファンで外気を取り入れ、後部と真上の通風孔から排気するシステムと考えられます。
その他の部品の排熱は、底(横置きの場合は左方)に付いているファンで底から排気し、天面(前)と前面から外気を吸気するシステムのようです。
処置として、底面に嵩上げ用のゴム足を貼り付け床との空間距離を確保すると共にファンを交換しました。
ついでに、ダメージが予想されるハードディスクの交換と多少の性能アップを要望されていますので対処しましょう。
CPUを、 2コアE2160(1.86GhZ)から 2
コアE6500(2.93Ghz)へ換装し、RAMを3Gb(2Gb+1Gb)に差し替えました。
エクスペリエンスインデックスは左の通り一般家庭用として十分な性能です。
最後に、当固体に搭載されている光学
ドライブを紹介しましょう。今では見ることが少ないカートリッジ付きDVD RAMにも対応しています。
書き忘れるところでしたが、本機はリカバリディスクの作成は出来ません。(配布もされていません)
そこで、HDDの交換は旧HDD内のOSやデータをチェックした上で、マザー基板上の予備SATA端子を使ってクローンHDDを作成し対処(※1)しました。
(※1)註; リカバリ後にクローン化しても構いません。 尚、直置時の、排気不全時のHDDの温度は、正常時+4℃でした。
本機はソーテックブランド後期のもので質実剛健かつ丁寧に造られていますので、グラフィックスを拡張し高性能なCPUに換装すれば更なる性能アップが期待できます。 ディスクトップPCの肩身は狭くなる一方ですが、「使い勝手の良い道具」としての普遍性に変わりはありません。
【2013/12/04追記】
オーナーより、「体感速度は抜群だが動画の再生に不満だ」と予想通りのコメントを受けましたので、CPUを総合性能が高いCore 2 Duoに交換すると共に、グラフィックスボードを追加しました。
処置として、
①Pentium dual core processor E6500(クロック2.93G、二次キャッシュ各コア2Mb)を、クロックは低いものの二次キャッシャが各コア4Mb, FSB1333MHzのCore 2 Duo E6750(クロック2.66G)に換装(※)しました。
②メモリを、ペア仕様の1Gb×2(計2Gb)に換装しました。
③グラフィックスボードGEFORCE GT610を追加しました。
CPUのスコアが僅かに低下しましたが、メモリのスコアは5.2に向上しました。
グラフィックスのスコアが4.8へ、ゲーム用グラフィツクスのスコアが5.4へと大幅に改善されました。
体感速度は僅かに低下しますが、WEB上のフルHD動画や地上デシタル放送が問題なく再生されます。
(※)註;
本機はBTO機種ではありません。また、アップデートメニューも存在しません。 元々搭載されていたCPU(E2160)のFSBは800MHzですが、FSBが1066MHzでも1333MHzのCPUでも問題なく動作します。
0 件のコメント:
コメントを投稿