2012年6月30日土曜日

ギミックなカメラCanonetについて語ろう。


クラシックカメラとは露出の自動化が始まる以前のカメラを指すことが多く略してクラカメとも言われます。
似た言葉として、レトロカメラ、ノスタルジックカメラなどがあり意味合いは微妙に違いますが、Canonet は1961年に製造されており、ノスタルジックカメラの範疇に入るのかもしれません。

《画像はクリックすると拡大します》
 
Canonet は、1961年にCANON レンズシャッターカメラの一号機として発売されました。

大口径F1.9 レンズ、マニュアル露出に加えシャッター優先AUTO、最速1/500秒シャッターなど最先端の技術を搭載していました。

天面にはシャッターボタン以外の突起物を配置していない、シャープ且つエレガントなデザインです。



このデザインを可能にした理由として、当機にはフィルムを巻き上げて巻き戻す構造に、大きな特徴がありました。

本来は天面に付いている二個のパーツが、当機は底面に付いています。

この天と地逆転の構造は専門誌が天面と底面の写真を取り違えて掲載するというハプニングも生まれました。


これが撮影時の姿です。フィルムは、底面に付いている「トリガー」という爪を立ち上げてから巻き上げます。

慣れれば、速写性に秀れ使って楽しい(即ちギミックこの上ない)構造でした。

目立つ特徴の二つ目は、シャッター優先AUTO用の電源と露出計測を兼ねた受光素子がレンズ周りに配置されていることです。



最後に、底面を具に見てみましょう。 黒いラバーを貼った三脚用の台座を設え巧みに左右のバランスが図られています。

雑誌社が、天面と底面の写真を取り違えたとしても不思議ではありません。

ところで、Canonetの価格は当時の大卒者初任給とほぼ同じでしたが、百万台を超す販売量を記録したと言われています。



このカメラは発売されてから半世紀を経過していますが、当固体の渋いメッキ処理に経年劣化は感じられません。 また、レンズ内、ファインダー内の何れにもゴミもカビも認められず、シャッター優先オート露出の動作を含め全ての機能が正常に動作します。


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