2020年1月24日金曜日

GXRは世界で唯一のカメラユニット交換式デジカメだ。

デジカメ市場が絶頂期だったころ、業界ではコンデジの高級化が進む一方で一眼レフに対峙するシステムカメラとしてミラーレス一眼が登場しましたが、丁度このころ、RIKOHから全く新しいタイプのシステムカメラGXRが発売されました。

《画像はクリックすると拡大します》

RIKOH GXRは2009年12月に発売されました。以来2012年6月までファームウェアの更新が続けられ、性能向上に加え新たな機能も追加されました。

特異なシステムだったGXRの価格は、24mm~72mmのズームレンズ仕様で当時の一眼レフ入門機(レンズキット)よりも高価でした。



RIKOH GXRは、本体からカメラユニットを取り外し他のカメラユニットとの交換が可能な、全く新しいタイプのシステムカメラです。

カメラユニットは目的に応じて6種類用意されており、それぞれのユニットには目的に適ったイメージセンサーが搭載されています。


これは、24mm~72mmズームレンズ仕様のカメラユニットを装着し、レンズカバーをオプションの自動開閉式に交換した状態です。

高級コンデジよりは少し大きくミラーレス一眼よりは少し小さいため、より安定したカメラワークが可能なベストサイズと言えるでしょう。


ここで、望遠寄りの標準ズームレンズ仕様のカメラユニットと広域寄り標準ズームレンズ仕様のカメラユニットを装着した例を紹介しましょう。

左が28mm~300mmのズームレンズ仕様でイメージセンサーは1/2.3型のCCD、右が24mm~72mmのズームレンズ仕様で1/1.7型のCCDです。


RIKOH GXRの立ち位置は一眼レフを意識したものであり独立した調整ダイヤルの使い方などを含め操作に戸惑う場面はありません

ディスプレイは3型92万画素で明るくて精細です。外装は、全身マグネシウム合金のダイキャスト製で堅牢かつ重厚なデザインです。



モードダイヤルには不如意に回らないようロックボタンが付いており、ダイヤル板には決して文字が消えない3Dホログラム加工が施されています。

軍艦部に
は独特の高級感があり、GXRに対するメーカーの強い思い入れを感じます。尚、ホットシューには専用のビューファインダーを装着できます。


専用のソフトケースは別売で3品種も用意されていましたが、このショルダーバッグスタイルが最も丈夫そうに見えました。

実際、分厚い牛革で覆われた過剰品質とも思える造りは、過酷な移動環境に遭遇してもカメラへのダメージを心配しなくて済みます。





RIKOH GXRは高級コンデジの良いところと一眼レフの良いところを併せ持った斬新なシステムカメラですが後衛モデルは存在しません。2012年ころから下降局面に転じたデジカメ市場へ自社システムのみに依存する後継モデルを投入するのは難しかったようです。


RIKOH GXRで撮影した作品例★


矢板市の名勝

木幡神社の表参道

使用ユニット;  S10
24(F2.5)~72(F4.4)mm
広角端24mmで撮影






使用ユニット;  P10
28(F3.5)~300(F5.6)mm
広角端28mmで撮影












【ご参考】
GXRの仕様はメーカーのHPをご参照ください。
www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/gxr/


【2020/02/08追記】  
縮小均衡に陥ったデジタルカメラ市場                                           

今や、デジカメ業界は各社ともミラーレス一眼に的を絞り飽くなき高級化と更なる高性能化に向かって熾烈な生き残り競争を繰り広げています。

やがて
、新製品はプロフェッショナル向けとハイアマチュア向けに収斂し、残る層の需要をスマホが補完する構図に成るのではないでしょうか。




【関連記事】
パソコンやデジカメの販売不振はスマホのせいばかりではない。
https://omoitsukisimotsuke.blogspot.com/2016/11/blog-post.html


コンパクトデジタルカメラの行く末は?
omoitsukisimotsuke.blogspot.com/2012/01/blog-post_12.html